経理代行のお客様と話をしていると、収入金額=収益金額と考えている方がいらっしゃいます。
しかし、実際には収益は現金の収入だけではなく、代金が未回収の売掛金でも収益に含まれます。したがって、収入金額と収益金額はイコールにはなりません。
収支と収益の違いについて
「収支」とは、字のごとく収入から支出を指し、引いたものになります。収入から支出を差し引いたものが収益ではないの?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、「収益」とは、主に売上高を指します。
収支とは・・いくら手元に現金があるのか?
●100万円現金で商品を売って50万円の仕入れ代金を支払った場合
入金100万円-出金50万円=手元50万円
●100万円の商品を翌月貰いの掛け売りをして50万円の仕入代金を支払った場合
入金0円-出金50万円=手元-50万円
収益とは・・いくら収入があるのか?
大きく分けると3つの収益があります。
●営業収益・・営業活動から得た収益。商品やサービスに対する収入(売上)金額になります。
●営業外収益・・営業活動以外から生じる収入で、預金の利息や配当金、事業外の不動産収入などになります。
●特別利益・・会社の経営に関係なく特別に発生した臨時的な利益になります。
収支と収益、さらに利益はどのように違うのか?なんとなくは理解していても、具体的にはどういったものなのか実際には理解していない方も多いのではないでしょうか?
利益は出ているのに手元にお金がない?利益が出ていないのに税金を納めるの?
利益を計算するには、損益の計算が必要になります。収支の計算だけでは利益を把握することはできません。商品を売っても後日お金の入ってくる掛け入れや、逆に仕入れたものを後日支払う掛け支払いもあります。手元にお金がないのに売上を計上すると利益が出てしまい、税金が支払えなくなることがあります。逆に、手元にお金があるのに後日の支払を計上した場合、赤字になることもあります。赤字だからと言って、法人には均等割りや消費税などの税金がかかります。
収支・収益・損益を把握するには
収支・収益・損益を把握するためには日々、会計帳簿をきちんとつけることが大切です。入出金だけではなく、複式簿記を行うことにより会社の経営状況や資金繰りを把握することができます。いざ決算を迎えた時には、前もって税額がどのくらい出るのかを把握しておくことができるため、焦らずに決算を迎えることができます。
経理代行が行う記帳代行
自社で経理業務や記帳業務を行うには、専任の経理事務員を雇う必要があります。しかし、お給料や福利厚生費を考えると、記帳代行をアウトソーシングすることも一つの選択肢だと思います。会計事務所や経理代行に記帳業務を代行してもらうことによって、常に変更される税法やインボイス制度に対応した消費税の処理を行ってもらうことが可能です。